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DC静音化マニュアル

製造が終わってはや5年、そのうえPSE法により絶滅しかけた
Dreamcastですが、ほこり被ってるよという方もいらっしゃれば、
まだゲームをやっているという方は少しはいるはず。
中には、SH4の開発プラットホームとして使用している方も
いらっしゃると思います。
どんな使い方であろうと、アレには悩まされていると思います。

アレとは...ファンの爆音です。
アレのおかげで、夜中にゲームor開発が出来ないなんて
状況じゃありませんか?

今回はDCを少しでも静かに使おう、という計画です。

温度

まずは、温度が高い時の事についてちょっと考えてみましょう。
温度が高いと次のような問題が起きます。

温度が高いとこんなリスクを背負う事になります。
一般的に静音化というと、ハードに何らかの負担を強いる
イメージがあります。(というか実際そうですね。)

改造前の説明

ですが、今回は負担を強いるような事はしません。
冷却の効率を上げる事により静かします。

何を書きましょう...。まずはヒートシンクの事について書きましょう。
ヒートシンクにはいろんな形、色がありますね?
形で冷却性能に違いが出るのは有名ですが、色によって違いが
あるのはあまり知られていません。

形に関しては、一般的な形ならば
「ピン型で、ピンが丸い物」がベストです。
(出来る事なら縦型の配置が一番良い。)

色ですが、アルミの場合、アルマイト処理されているのが一般的です。
アルマイト処理も種類があるようですが...
一番ベストなのは黒色アルマイト処理で、これが一番冷えます。
銅は...よく知りません。(ォィ


次に換気口の事について書きましょう。これはいくつか注意点があります。
換気口は角が無い方が良い事は知られていますが、
むやみに穴をあけてはいけない事と、場合によっては
流路を狭めた方が良い(とはいっても30mm以上)事は知られていません。

どういう事なのか?両方とも風速に関係してきます。
静音化関係のサイトを見ていたりすると、風量を増やす事は考えても
風速を上げる事は考えません。
風速を上げるとうるさくなると考えがちですが、そんな事はありません。
適切に処理すれば静かなのによく冷えるので、大きな武器となります。

DCに限らず、大抵のマシンでは発熱する部分とそうでない部分の差が
大きいですが、こういう時の冷却は、風速を上げるのが基本らしいです。
逆に、発熱が平均的な場合は風量を増やすのが基本らしいです。

では、そろそろ改造に移りましょうか。

材料

いざ改造(前期型)

今回の改造は簡単ですが、かなり大胆です。
ケースのネジを外す時、一つはモデムの陰に隠れてますので
注意してください。

完全にばらしたら、ケースの加工をします。
シリアルポートなどがある面を見てください。
ここに通気口がありますね?ここの保護柵を破壊します。
その時、角を丸く整形しておくと良いでしょう。
そして、シールド板のうち、この保護柵を覆ってしまう部分を撤去します。

お次は左側面です。ここにはスイッチング電源が鎮座していますが、
そこにはレギュレータ用のヒートシンクがあります。
吸気口面積が足りないし、ついでなのでヒートシンクの
位置に合わせて穴を開けます。小さい方が良いです。

お次は、ヒートシンク関係を弄ります。

SH4とかPowerVR2との接合面は、標準では熱伝導シートが
付いていますが、これを撤去し、シリコングリス
(何でも良いが、密着させる事を考えると下手に銀入りとか使わない
方が良いのかも。)を塗った上で、40mm角のヒートシンクをSH4へ、
50mm角のヒートシンクをPowerVR2に載せるわけですが、
そのままじゃ、シールド板やGD-ROMドライブとぶつかります。

なので、塗る前にシールド板とヒートシンクを現物合わせで
適当に加工してください。参考写真1、37.9KB
(ヒートシンクのピンを出来るだけ残す事。参考写真2、31.6KB)
シリコングリスを塗るときは、真ん中にちょこんと乗せ、
そいつを押しつぶしてやると、空気も入らず良いでしょう。
また、横から少しはみだすぐらいの量を乗せましょう。

さて、加工できたら組み立てますが、この時コントローラポートの
部分の灰色のプラスチックは、はめずにそのままおいておきます。

こうする事により、流路抵抗が低くなって静かかつよく冷える
ようになります。
(ちなみに発熱が平均的な場合は、換気口はケースの
対角線上に設けましょう。)

組み立てると、ファンがなくて自然冷却の形になってしまいますが、
このままでは安定した動作は望めないと思うので、
最後に新しくシリアルポートがある面(本当はコントローラポート面が
良いんですがね...。)にファンを吸い出す方向で設置します。
(このファンはどんなものでも良いです。)

ファンと通気口をダクトで繋ぎますが、この時最低でも30mmは距離を
空けて下さい。そうしないと負圧が大きくなりすぎて、騒音が大きく
なります。
(ダクトはティッシュの外箱で作りました。私の部屋には、
こういう工作の為にティッシュの空箱が100箱以上ありますw)
また、ダクトとは直にくっつけないでゴムシートを挟んだりすると
より幸せになれるでしょう。

ちなみに余談ですが、このゴムを挟んでネジなどで止める時、
かなり調整がシビアです。
閉めすぎるとネジが音橋になって振動を伝えますし、緩すぎると
不要な振動が発生します。

これは、調整して丁度良い状態を見つけ出すしかありません。

ファンの電源は可能ならDC内部のファン用の5Vで良いです。
調整したいならファンコンとか外部電源が必要ですが...。

私の場合、使ったファンがうるさかったので自作のファンコンを介して
駆動しました。

最後に、DC本体を設置する時に本体の下に通気用の
スペースを設ければおしまいです。

ついでにGD-ROMドライブも改造

せっかくです、GD-ROMドライブの騒音対策も行ってみましょう。
このドライブ、やたらうるさいと思いませんか?

原因は、使われているモーターがブラシモーターである為に、
大きな騒音が発生し、その騒音がGD-ROMドライブ内で反響して大きな音に
なっているからだと思われます。

ですが、その構造上本格的に騒音対策をやるとなると、かなりの労力が
必要になります。

そこで、簡単な改造のみ行ってみようと思います。

まずは、スピンドルモーターを止めている接着剤とかネジを外します。
ネジを外すと、円筒型のスペーサーが出てきませんか?
このスペーサーの代わりにゴムブッシュを挟んでやると良いでしょう。
ただし、ディスクを止めるハブの高さには注意してください。
低すぎると、ディスクをキズだらけにします。(経験者談)

そして、吸音用のスポンジを出来る限り張ってやると、騒音を
抑える事が出来るんじゃないかと思います。



編集後記

で、そんなこんなでやってみた訳なんですが...
結果、ファンの騒音を抑える事には成功しました。

がしかし...それは試運転が終わって、初めてDP3を起動した時の事です。


スピンドルモーターとシークモーターが相変わらずうるさい。


しょせん、ブラシモーターです、多少覚悟はしてましたが...
もう少し静かで居てほしかった。
(しかも、このモーターかなり死に易いそうで...orz)

やはり、最終的にはモーターの換装しかなさそうです。

おまけ
後期型の場合

後期型の場合、ファンの撤去という手段が使えません。
なぜなら、DC本体がファンの状態を監視していて、外したりすると
即ハングするからです。
タコジェネをエミュレーションすれば話は別でしょうが、
そんな事が出来る人は、こんな記事読んでないでしょう。



06年12月19日追記
記事UP後、新たにわかった事や教えて頂いた事を報告します。
私はファンを設置する際、初めは吸い出す方向で設置しました。
しかし負圧が大きすぎるからでしょう、換気が出来てない様子でした。
そこで、押し込む方向で設置してみると...かなり改善され、コントローラ
ポート面から風が感じられる程になりました。

ついでに、静音化を狙ってダクトをスチレンボードで作り直してみました。
しかし、効果はありませんでした。少し期待していたのですが...
参考写真3、20.5KB 参考写真4、20.3KB

また、JJ1ODM様から、後期型で必要な偽タコジェネ回路の
回路図、5.82KB参考写真、43.2KBを頂きました。
チャオさんによると、タコジェネからは約3.2mSEC周期のパルスが
出ていたそうです。

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