もはや書き直す時間が見つからないので、 とりあえず現状そのままのtxtを公開しておきます。 十-----------------------------------------------------------------十 | | | D C - s e r i a l -> R A S S e r v e r -> L A N 計 画 | | | 十-----------------------------------------------------------------十 製造が終わってはや5年、そのうえPSE法によりほぼ絶滅した Dreamcastですが、ほこり被ってるよという方もいらっしゃれば、 まだゲームをやっているという方は少しはいるはず。 ゲームの中にはネットワーク接続に対応した物がありますが、 大半は内蔵モデムを使いますね。 使うためにはネットワークに繋げる訳ですが、 「常時接続できる環境があるのに、今更電話線につなげたくない…」 こんな方いらっしゃるんじゃないですか? 内蔵モデムを使う時はいちいち電話線に繋げなければならず、 そのうえ速度は33.6Kbpsで今となっては遅いし、なにより 電話代もかさんでしまう… 今更電話線に繋ぎたくない気持ちも分かる気がします。 BBAと切り替えられるソフトもありますが、BBAはコスト面で非常に 不利ですね。 (今でも15kは平気でする。Cバスの純正NICすら5k切ってるのに…。) そこでBBA無しで無理やりLANに繋げてしまおう、というのが 今回の計画です。 巷では、Windowsの着信接続機能とTAの内戦通話機能を使った方法や、 CR2000のような擬似交換機を使ってLANに繋げるという方法が 紹介されていますが、これらは内蔵モデムを使う方法であり、 速度面で非常に不利です。 今回の計画では、速度面で不利な内蔵モデムは使いません。 では、何を使うのか…そう、シリアルポートです! そういえば、シリアルポートとISDNアダプタ、携帯と接続するケーブルを 発売するとSEGAは言ってましたが、結局発売されませんでしたね。 それの互換品を作るとでも思ってください。 今回行った実験で使用したソフトはDreamPassport3です。 というか、これが無いとシリアルポートに関する設定が出来ないかも しれません。 ちなみにこの方法が使えないネットワーク対応ゲームもあります。 LAN側にあるルータのポート開放でどうにかなる場合もあるようですが、 直接電話をかけるタイプのゲームは完全にアウトです。 でもまぁ、この記事を応用して56Kbpsのモデムを繋ぐとか、寮に入ってて モデムなんて使えない人は、PDC(第2世代の携帯)に繋ぐとか、 なんならISDNに繋ぐとかしてくださいなw 1.ケーブル製作 ケーブルの回路図は次の通り。 基本的には、吸出し用ケーブルにいくつかの変更を加えたものです。 Serial port(Modem) DC Serial Port 十--------------------------------十 十十 |十----------------------------十| 0.1=| || 十---------------十-||-------------十| 十----------||十 0.1= | || || | __-- ̄|||| | 十----------十| || || | | 1|||| 十-|-|1 16|十 || /---十|| 十-|6 2|十||0.1= 十-|2 15|---||-十 | 1 |十| 十--|7 3|--十| 十----|3 14|---十| | | 2 | | |十|8 4|----十 十--|4 13|-----十 十---| 3 |--十 |||9 5|-十 0.1十=|5 12|-------------| 4 | ||  ̄--__|-十 十-|6 11|-------------| 5 | 十|------------------------|7 10|-------------| 6 | 十------------------------|8 9|-------------| 7 | | | 十----------十 十-----| 8 | | 0.1= | | 9 | | | | |10 | 十---------十---------------------十-----\---十 =…コンデンサ。0.1μFは積層セラミックコンデンサ。 端子のピンアサインは、基本的に本体側。 付録 RS-232Cポート(Modem) Dreamcast Serial Port 1 DCD 1 +5V 2 TXD 2 SCK (外部クロック入力) 3 RXD 3 GND 4 DSR 4 RX 5 GND 5 TX 6 DTR 6 RTS 7 CTS 7 CTS 8 RTS 8 GND 9 RI 9 /Reset 10 +3.3V 注意点としては、 1.この回路で吸出しもするなら、ストレート仕様とクロス仕様を 切り替えられるようにしておく事 2.DCD信号をどうにかする事 です。 1.ですが、RS-232CのケーブルにはPC-Modem用のストレートケーブル、 PC-PC用のクロスケーブルがあります。 ようは、送信信号と受信信号のピンアサインが そのまま繋がっているのか、入れ替わって繋がっているかの違いです。 2.ですが、DCD信号というのはキャリア検出信号の事です。 キャリアとは搬送波の事です。 搬送波について詳しく書くと、モデムはPCのデジタル信号から 電話回線のアナログ信号に変換しているのですが、 どんなアナログ信号でも送る時にはデジタル信号と同じように タイミングの基準となる信号が必要です。 それが搬送波です。アナログ信号はこの搬送波を使って変調してから 送られます。デジタル信号におけるクロック信号と同じです。 (名前は違うけど、信号の作り方は両方ともほとんど同じなんだよね…。) で、搬送波と信号を混ぜる作業が変調といいます。 最近のモデムの変調方式は直交振幅変調が一般的です。 …ワケワカメだと思いますので簡単に書いておきますね。 振幅変調…信号には波がありますね?その波の高さを変えるのが 振幅変調です。AMラジオは、この方式です。 利点:回路が簡単 欠点:ノイズにやられやすい 周波数変調…信号の波のうち、高さは変えずに波の間隔を変えるのが 周波数変調です。FMラジオは、この方式です。 利点:ノイズに強い 欠点:回路が複雑 位相変調…周波数変調と基本的に同じですが、 変調度がどうなのかの違いです。 (筆者もよく理解出来ていないw) 直交振幅変調…簡単に書けば、AMとPMを組み合わせた方式です。 確か、最近のADSLも直交振幅変調を基本と していたような気がします。 無線の免許でも持ってないと、理解不能ですなw ・ ・ ・ 閑話休題。 モデムで変調した後、相手と繋げる訳ですが、 DCD信号は、PCがモデムに対して相手と繋がっているかどうかを 知らせる信号です。 これがないと、動かないモデムやTAが存在するようです。 ですが、DCにはDCD信号なんてありません。 こんな時は、モデム自身のDTR(DTRとDSRは電源を確認する信号。) を繋げておけばいいようです。 (余談ですが、PC-PC用のクロスケーブルではDCDがNCになっている事が 殆どだと思いますが、本当は上記のように処理しなくては いけないそうです。) 真ん中のレベルコンバータですが、MAX232でも良いし、 その互換品でも良いでしょう。 ただ、どうせならADM3202のような高速通信対応のものにしておくと 後々便利でしょう。 なぜなら、DreamPassport3では460kbps迄対応しているからです。 (Dreamcastのバックアップに関してなら国内の大御所のサイトの管理者、 bero氏によれば、ハードウェア側の上限は1.5Mbpsらしいです。) もっとも、RASサーバ側が遅ければ意味がありませんが…。 2.設定(RTA50i) さて、ケーブルが出来上がったものとして話を進めます。 次にケーブルとRASサーバをつなぐ訳ですが、 あまりPCは使いたく無いですね。 すごい電気代かかるし。 しかし、当初は他に良さそうな方法がなかなか見つからず、 この計画で一番苦労しました。(1年近くほったらかしになっていた。) ある時、何気なくネットを徘徊していると、YAMAHAのRTシリーズには 擬似LAN機能という、シリアルポートを仮想的にLANのように扱う機能が あるというじゃありませんか! じゃあこいつを使って…と思いきや、ISDNとの接続方法しか 書いてありません。 さてどうしたものか…とググっていたら、 http://www.qsl.net/ja0rug/rta50i.htmlというサイトを発見! これを応用すれば(と言うか丸写し)LANに繋げる事が出来ます。 しかも、RTシリーズがないか近くのハードオフに捜索に逝ったら、 ちょうどRTA50iがころがっていました。 しかも、PSE法の関係か、動きます・マニュアル・設定用CD付が250円で 叩き売りされているじゃありませんか!!! ん〜、日頃の行いが良いからなんでしょうかねw (マニュアルはHPにあるし、設定もブラウザから出来るので (telnetでも出来るらしいけど未確認)本体だけでもOKです。) さて、まずはRTA50iの設定をしてしまいましょう。 基本的な設定はマニュアル or YAMAHAのHPを見て頂くとして、 今回の計画に直接関係する設定のみ載せます。 次の文を、ブラウザでログインして出てくるトップページ の下にある内部情報というところに、テキストで設定するところが あるのでそこに以下の文を貼り付けてください。 (当然の事ながら、IPアドレス等は自分の環境に合わせて書き直す事。 私の場合は、先程のサイトとは異なります。) ip lan address 192.168.1.2/24 ip lan secondary address 192.168.0.1/24 ip lan proxyarp on ip route default gateway 192.168.1.1 dns server 192.168.1.1 dhcp service server dhcp scope 1 192.168.1.2-192.168.1.3/24 analog supplementary-service pseudo call-waiting 設定の詳細(先程のサイトの丸写しです。) 1番目… Lanの IPアドレス(実質、RTA50i本体のIPアドレスを指定する。) 2番目… Lanの Secondary IPアドレス(実質、RTA50iの設定を行うために 使うIPアドレス。この例では、Webブラウザ or Telnetで 192.168.0.1 に接続してRTA50iの設定を行う。) 4番目… 外部ルータのIPアドレス(デフォルトゲートウエイ)を指定する。 5番目… 外部ルータのIPアドレスまたは、プロバイダのDNSを指定する。 6番目… DHCPサーバーを動作させる。これが動いていないとPPP接続された DCに IPアドレスが割り当てられません。 7番目… DHCPサーバーがクライアントPCに割り当てるIPアドレス 設定した後、試しにPCで擬似LAN機能を使ってみて下さい。 この時注意するのは、ユーザー名は必ず設定する事です。 設定しておかないと後で泣きます。 これでちゃんと繋がれば大丈夫です。 私はPC-9821V200で動作確認しました。 2.設定(DC) いよいよ最後のDCの設定に移ります。 一旦isaoにユーザー登録をしてください。 しないとネットワーク自体に繋がりません。 さてユーザー登録できましたね?ユーザー登録したら、 次のように設定します。 1.モデムの設定の中のむずかしい設定で、 シリアルポートを使うように設定します。 速度はRTA50iの関係で230kbpsまでです。 2.プロバイダーは「ユーザー任意のプロバイダー」を選びます。 3.APの設定になったら、「****」を入力します。 4.ログインIDの設定では擬似LANの時のユーザー名を入れておきます。 5.DNSサーバは、擬似LANの時に設定したものを入れます。 この場合は192.168.1.1です。 6.メール関係は貴方が必要なら入れて、必要じゃないなら空白で 大丈夫です。 7.そしてこの設定を保存すれば完了です! これで繋がるはずです。 もし仮に繋がらなかったとしても、筆者に文句を言わないでください。 この記事は記憶に頼って書いてるんでw 編集後記 製造が終わってはや5年、そのうえPSE法により絶滅したDCで わざわざLANとシリアルポートをつなげて大喜びしながら ブラウジングした馬鹿は、多分私だけでしょうねw 実はこの計画、DCPPRIPとの絡みでやってたりします。 その証拠として、 「そこぬけろ!Dreamcast関連BBS Dreamcast パラレルポート GD-ROM Ripスレ」 に足跡が残っていますw 今回は簡単に済ませましたが、まじめにやれば 460kbpsで安定した通信が出来ると思います。 例えば、あまり見かけないNetGenesisシリーズ <- 460kbpsまで対応 を使うとか、マイコン使ってRASサーバを作っちゃうとか… ってそんな事出来る人はこんなテキスト読んでませんねw どうせなら、BBAの互換品でも作ると良いかもしれませんね。 まぁ、筆者の今の技術力じゃどれも無理ですが。 でも、いつかはやりたいと思ってます。 もし記事を見たいなら、その日まで待っていてください。 だいたい20年ぐらい(爆 ちなみに、この記事を書いた後に気付いたのですが、 DCの通信対戦って、もうPSOぐらいしか生きてないんですね。 (私はゲームをやらない人なので、全然知りませんでした。) 後はデータ通信とブラウジングぐらい… でも、データ通信の為だけにキーボード買うのもちょっとアレだし、 (今回使ったRTA50iの場合は大丈夫でしたが、使う機材によっては、 ソフトキーボードでは入らない記号が必要な場合がある。) ブラウジングならPCでやれば良い話。 (というか、PCじゃないと入れない所の方が多いし…) 省エネとかを狙うならwillcomとか、DS使う方が良い…。 お遊びのつもりが、本当にお遊びに終わっちまったorz 製作:試運転 2006年7月15日 改訂